第1回 高専起業家サミット 開催レポート

開催概要

2024年3月11日(月)一橋講堂にて開催されました「第1回高専起業家サミット」ビジネスプラン発表会の模様をご報告いたします。当サミット開催に際し、全国の高専42校・43キャンパスより総計98件もの多数のご応募をいただき、誠にありがとうございました。
当日は、厳正な書類選考を通過した50チームによるピッチ・ポスター発表が行われました。

  • 総エントリー数
    98
  • 当日の出場者
    50チーム / 162
  • エントリー高専数
    全国4243キャンパス
第1回出場50チームの情報はこちら

高専スタートアップ支援プロジェクトでは、クラウドファンディングをはじめとした
高専生の起業サポートを引き続き行ってまいります。

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審査結果発表

審査基準

今回の高専起業家サミットでは、以下5点が審査基準として設けられました

  • 新規性・独自性
  • 市場性・将来性
  • 実現可能性
  • 熱意
  • 論理性

受賞チーム紹介

最優秀賞

  • 石川高専 / Yサイン
  • Vibrasymphony {バイブラシンフォニー}
写真:最優秀賞チーム表彰時の様子
写真:最優秀賞チーム表彰時の様子
画像:最優秀賞チームのプランシート
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おめでとうございます。かなり大接戦でしたが、最優秀賞とさせていただきました。
テクノロジーを活用している点、明日から事業ができると思えるビジネスモデルであった点から表彰をさせていただきました。是非、高専の星になれるよう頑張ってください。

(三井住友信託銀行 池村 隆司 氏)

優秀賞

  • 都城高専 / SENKAY
  • 農業の選別作業をCHANGE! 選別機「せんかちゃん」の商品化
写真:優秀賞チーム表彰時の様子
画像:最優秀賞チームのプランシート
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受賞した大きな理由は、都城にある社会課題を実際にしっかりと見て、考え、そしてハードウェアをしっかりつくったところが大きいと私は思っています。
是非、せんかちゃんをさらにブラッシュアップして、どんどん普及させて、ピーマン農家さんやそのほかの農家さんが抱える社会課題を解決していって欲しいです。

(熊本大学 入江 英也 氏)

優秀賞

  • 有明高専 / サーキットデザインBoys
  • KOSEN サーキットデザイン教育インストラクター 養成ビジネス
写真:優秀賞チーム表彰時の様子
画像:優秀賞チームのプランシート
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私の尊敬する起業家の一人、雷軍(レイ・ジュン)さんが残した名言の一つに「風が吹けば豚でも飛べる」があります。これは、「それぐらい追い風の吹いている領域で仕事をしていると報われるよ」という意味を例えた言葉です。
今の半導体業界にはかつてないほどの追い風が吹いていますが、設計士の方々はまだ不足している現状があります。是非実現に向けて頑張っていただければと思います。

(East Ventures 金子 剛士 氏)

プラチナ協賛企業賞

写真:3DPC賞受賞チーム
3DPC賞
提供:株式会社3DPrintingCorporation様
副賞:自社3Dプリント工場利用券10万円分
  • 大島商船高専 / Signnovation
  • ARグラスと手話翻訳による
    聴覚障がい者の意思疎通改善プラン
写真:JT賞受賞チーム
JT賞
提供:日本たばこ産業株式会社様
副賞:「テーブルマーク」冷凍食品

沼津高専 / MIG

ロビオトープ
-自分好みのビオトープでロボットと共に植物を育てる-

写真:3DPC賞受賞チーム
HONDA IGNITION賞
提供:本田技研工業株式会社様
副賞:IGNITION一般公募 一次審査参加権
電動キックスクーター「ストリーモ」

沼津高専 / MIG

ロビオトープ
-自分好みのビオトープでロボットと共に植物を育てる-

写真:3DPC賞受賞チーム
三菱UFJ銀行賞
提供:株式会社三菱UFJ銀行様
副賞:自社システム・インフラ開発オフィスの見学権
Spark X 受賞チームとの対談権

仙台高専 広瀬キャンパス / RDS Lab

迅速な工事を実現!
「InfraDamageScanner」

写真:3DPC賞受賞チーム
明電エンジニアリング賞
提供:株式会社明電エンジニアリング様
副賞:明電エンジニアリング社長との独占対談権

香川高専 詫間キャンパス / TEAM MILab.

医療DX患者の急変を数時間以上前に検出する
呼吸計測システム

写真:3DPC賞受賞チーム
レアゾン・ホールディングス賞
提供:株式会社レアゾン・ホールディングス様
副賞:叙々苑食事券20万円分

旭川高専 / 北国のデジタルふぇありーず

E-本
-動くデジタルえほんから始める知育-

審査員長 講評

写真:池村隆司氏
三井住友信託銀行 理事
イノベーション企業推進部 イノベーション企業推進部長
池村 隆司

まずは登壇された学生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
本日の「高専起業家サミット」出場に向けて、ビジネスモデルを考え、準備し、プレゼンテーションをするのは大変だったと思います。
そして、協賛企業の皆様、協力企業の皆様、主催の独立行政法人国立高等専門学校機構様、月刊高専様、皆様のご尽力によって第1回が開催されたことを心より感謝申し上げます。

今回、幅広い地域から、そして本科1年生から専攻科2年生まで幅広い年齢の学生の皆さんに登壇いただきました。第1回ということで、戸惑いながら参加された方もいるかと思いますが、審査員の入江さん、金子さんからお話しがあった「社会課題」や「成長分野」に対して技術とアイデアを駆使してチャレンジしていこうという思いを感じました。
今、高専は全国の企業から注目を集めています。日本のイノベーションを創出する担い手として期待をされています。今回の熱いプレゼンテーションを聞いて安心しました。

さて今回の審査の基準は大きく5つに分かれています。
「新規性・独自性」、「市場性、将来性」、「実現可能性」、「熱意」「論理性」です。
私が皆さんのビジネスプランを見て感じたのは、課題をしっかりと持っているということです。これはみなさんしっかりと押さえられていました。

一方で、本当に求めているのはどんな人か、他でできる商品やサービスはないのか、自分の強みをどう活かすのか、つくるのか、そしてどうやってそれを伝え、ビジネスにしていくか。ここは濃淡があったと思います。ぜひ今後強く考えていって欲しいと思います。皆さんのアイデアをぜひ形にして、「高専の星」となって、日本社会や高専の方々を引っ張っていく存在になってください。

今回はこれらの基準を前提に審査をさせていただきました。 大変悩みましたが、受賞者を決めさせてもらっています。 それに際して一言だけお話をさせてください。 ある起業家の方が審査員をされた際にお話しをしたことを強く覚えています。 その方はこういいました。
「今日、私は審査員です。ただ自分はピッチコンテストに山ほどでましたが、一度たりとも賞を受賞することができませんでした。でも上場し会社は大きくなりました。心配するな」

もちろん、受賞をされた皆さんは是非自信を持ってビジネスプランを進めていってください。そして惜しくも受賞されなかった皆さん、「心配するな、チャレンジを続けてください!」 期待しています。