仙台高専 広瀬キャンパス
迅速な工事を実現!「InfraDamageScanner」
- チーム名
- RDS Lab
このプランを思い付いた背景
日本のインフラは高度経済成長期に一斉に整備され、現在老朽化が進行している。国土交通省によると、2048年までに最大12.3兆円の維持管理費が予想されているが、予防保全を行えば最大6.5兆円に抑えられるとされている。人手不足が問題となっている昨今、低コストかつ効率的なメンテナンスの実施は急務である。
このビジネスプランは、「誰が」「どこで」「どんな風に」提供するのですか?
このビジネスプランは、インフラの劣化情報を収集する企業が提供する。インフラの劣化を報告するサービスをネット上に公開し、住民が画像をアップロードする。AIによって「路面」「ガードレール」「電柱」などインフラの種類を判別し、また劣化状況を判断する。さらに画像のExif情報からマッピングを行う。このように収集された情報は補修を行う業者に有償で提供され、入札の後実際に工事が行われることを想定している。
このビジネスプランで提供できる商品・サービスは何ですか?
劣化データベースからを工事業者に提供し、物体検出アルゴリズムによる定量的データを活用することで、工事による収益向上が見込まれる。自治体へのインタビューで、路面の劣化が見られてもデータが不足し、補修工事が難しかった事例があった。この問題を解決し、補修工事をスムーズに実施できるように支援できる。また、分析したデータにより、工事入札における適切な見積もりの作成を支援する。
このビジネスプランは、どのような社会課題を解決できるもの(またはお客様のニーズに応えようとしているの)ですか?
国土交通省では5年に1回の点検を基本としているが、実際に実施できている自治体の割合は多くなく、特に市町村では20%に留まっている。このように規定された通り点検を実施することは難しく、その原因は主に予算や人手の不足である。両者を解決するためには低コストかつ効率的な手段が必要となる。このビジネスプランはAIを用いて住民から提供された情報を基に自動的に判別することで解決に繋げるものである。
すでに存在する類似商品やサービスはありますか?ある場合、それらと比較して優れている点を教えてください。
仙台市の「FixMyStreetJapan」では、住民が各種インフラの不具合を報告するが、写真撮影と情報入力、補修判断については人手に頼らざるを得ず定性的な判断のもとサービスが展開される。特殊車両を使った点検は効率的だが高コストとなり小規模な自治体では実施が難しい。このような状況で、低コストで定量的な劣化状況を収集する本ビジネスプランは、その両方を提供する点で優位性がある。
サービス対象はどんな人・組織ですか?そこに対する宣伝・営業・販売方法について教えてください。
サービス対象は、実際に工事を行う業者とする。定量的なデータを購入し、実際に工事をおこうなうことで業者の利益に繋げる。建設業許可業者は宮城県内だけで8000以上存在するため、1件1件訪問し営業をかけるのは現実的ではない。そのため国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を基に電話・メール等の手段を検討している。
このビジネスプランで起業する場合の課題は何だと考えますか?
劣化状況のアップロード無しに事業展開は行えないため、金銭的な利益が発生しない住民に対する周知が課題として挙げられる。また、社会的影響が大きい分野でAIを用いるためモデルには極めて高い精度が要求される。