東京高専

人工培養肉の安価での市場提供

チーム名
プロジェクトK
このプランのビジネスプラン概要
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このプランを思い付いた背景

現在日本では食料自給率の低さが大きな問題となっている.特に肉類は50%近くを海外からの輸入に頼っている.しかし各国の情勢により,輸入品の安定した供給が保証されにくくなっている.この現状を改善すべく,人工培養肉の一般化を推し進めたいと考えた.また本研究により,培養の原料が乳清での代用が可能となるため,昨今の牛乳の大量廃棄といった問題の解決にも繋がる.可能性のあるこの事業をぜひ進めていきたい.

このビジネスプランは、「誰が」「どこで」「どんな風に」提供するのですか?

現時点の研究結果では,一技術として確立させられるほどの成果までは得られていない.また,一般で流通させるほどの商品として完成させるには様々な面で大きなコストがかかる.培養するための施設やその維持,またそれ以前に豊富な知識・技術のある人間による更なる研究が必要である.そのためにも現在進行形で人工培養肉の研究を行っている食品系企業と提携し,共同で開発をして行きたいと考えている.

このビジネスプランで提供できる商品・サービスは何ですか?

人工培養肉というと難しく聞こえるが,培養に必要な要素は大きく分けて幹細胞,栄養 ,成長因子である.この成長因子は一般的に牛胎児血清というものを使用されており,非常に高価である.しかし私の研究から乳製品から容易に作成することができる乳清により代用が可能となり,かかるコストを1/175にまで引き下げることが出来る.これを実用可能段階まで移行できれば人工培養肉の安価で提供も不可能ではないと考えられる.

このビジネスプランは、どのような社会課題を解決できるもの(またはお客様のニーズに応えようとしているの)ですか?

現在,大きな問題となっている食料問題.特に家畜の餌のために多くの穀物を消費し,そのために飢餓が解決していないというのはよく聞くだろう.また,牛などのゲップには温室効果ガスが含まれ,地球温暖化の要因の一つになっている.このように食用の家畜の生産には多大なコストやリスクが存在するが,革新的な改善策は少ない.そこで私はこれらを解決するために,人工培養肉の圧倒的安価での市場提供を提案する.

すでに存在する類似商品やサービスはありますか?ある場合、それらと比較して優れている点を教えてください。

現在,様々な国の多くの企業が人工培養肉の商品化に着手している.しかしながらどれもが,今現在流通している一般の肉よりも高価であり,誰もが気安く手に取れるものでは無い.そのため多くは味や食感といったクオリティ面の向上による顧客の確保を目指している.しかしながら私の研究の目的は培養のコストダウンであり,ここで明確に他との差別化を図れると考えている.

サービス対象はどんな人・組織ですか?そこに対する宣伝・営業・販売方法について教えてください。

私が提供しようと考えている人工培養肉は,誰もが当たり前のように商店で手に取れるほどのものとなる.まずは日本での一般化を進め,海外産の輸入肉の代替になるほどに提供していきたい.バイオ製品としてのイメージを払拭し,安価で手に入るならば不可能では無いと考えてられる.特に,この人工培養肉は生命の殺傷を一般の肉よりは大幅に抑えることが可能なため,環境活動家に特にマーケティングしていきたいとも考えている.

このビジネスプランで起業する場合の課題は何だと考えますか?

倫理的観点から見た「人工培養肉」というものの見方がこの事業の一番の障害だと考えられる.一般的にバイオテクノロジーには懐疑的な視線が少なくないということは確かである.その中でも食用肉という自らの体内に口から摂取するということについて嫌悪感を持つ人も少なくはないだろう.よって安全性の周知や信頼の獲得,価値観のアップデートがこの事業を確実なものとするために必要になるものだと考えられる.