ソーシャルドクター部門

人工培養肉の低コスト化と発展

チーム名
プロジェクトK
高専名
東京高専
このプランのビジネスプラン概要
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このビジネスを行うことによって解決したい顧客の課題(社会課題)は何ですか?

現在,地球規模で議論を起こしている食料問題.特に家畜の餌のために多くの穀物を消費し,そのために飢餓が解決していないというのはよく聞くだろう.また,牛などのゲップには温室効果ガスが含まれ,地球温暖化の要因の一つになっている.このように食用の家畜の生産には多大なコストやリスクが存在するが,革新的な改善策は講じられていない.そこで私はこれらを解決するために,人工培養肉の作成の低コスト化と発展を目指す.

このビジネスの顧客はどんな人・組織ですか?特に最初に顧客になるのは誰ですか?

人工培養肉の提供が当然となり,値段が市場の家畜肉と同等となれば,あらゆる人間が手にする選択肢の一つになるであろう.その中でも,環境活動家や非肉食文化圏の人々は,培養肉の価値を見出し,率先して手を付けることになると考える.人工培養肉の培養には現在の家畜肉と比較して,非動物殺傷・非自然破壊という圧倒的なギャップが存在する.多様性が求められる現在,このようなニーズへの提供は,大きなビジネスの一歩となる.

このビジネスを行うことで提供したい独自の価値は何ですか?

現在,様々な国の多くの企業が人工培養肉の商品化に着手している.しかしながらどれもが,今現在流通している一般の肉よりも高価であり,誰もが気安く手に取れるものでは無い.そのため,企業の多くは味や食感といったクオリティ面の向上による顧客の確保を目指している.しかしながら私の研究の目的は培養のコストダウンであり,ここで明確に他との差別化を図れるとともに,オリジナルの価値を見出せると考えている.

このビジネスで提供する製品・サービスは何ですか?

私が提供しようと考えている人工培養肉は,誰もが当たり前のように商店で手に取れるものである.まずは日本での一般化を進め,海外産の輸入肉の代替となるほどに提供していきたい.バイオ製品としてのイメージを払拭し,安価で手に入るならば,家畜肉の代替になる可能性は低くない.また,この人工培養肉は生命の殺傷を一般の肉より大幅に抑えることが可能なため,あらゆる層へのマーケティングが可能であるとも考えている.

その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?

現時点の研究結果では,一技術として確立させられるほどの成果までは得られていない.また,一般で流通させるほどの商品として完成させるには様々な面で大きなコストがかかる.培養するための施設やその維持,それ以前にも豊富な知識・技術のある人間による更なる研究が必要である.そのためにも現在進行形で人工培養肉の研究を行っている食品系企業と提携し,共同で開発をして行きたいと考えている.

すでに存在する類似製品やサービスはありますか?あるならばそれらと比較して圧倒的に優れている点を教えてください。

このビジネスの価値は圧倒的新規性と将来性である.培養肉を今すぐ売り出すための工夫(味や食感)への研究は広く行われているが,将来の食肉市場を見据えたコストカットはどの企業も確実な着手へは至っていない.ビジネスではなく,研究がメインである高専生である私たちだからこそ行えるプランであり,優れている点であると考える.

全体を振り返って、このビジネスプランを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください。

現状のスピードのままの環境破壊,人口増加では確実にあらゆるものが不足する社会へと変わっていくだろう.その中でも,人類が生き残るために必要な「食」を守ることはこの上なく価値のあることだと考えている.ここからのビジネスをきっかけに,どんなに狭く小さい道のりだったとしても,間違いなく何かを・誰かを救える道だと確信しているため,絶対に最後まで成し遂げようと思う.