ソーシャルドクター部門

安心安全なマリンレジャーを目指した海難事故防止の必須アイテム:RiCAS

チーム名
サーブセイバーズ
高専名
沖縄高専
このプランのビジネスプラン概要
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このビジネスを行うことによって解決したい顧客の課題(社会課題)は何ですか?

ビーチリゾートホテルが多くある地域では、マリンレジャーを行う宿泊客の安全確保は大事なサービスの1つである。しかし5年間の海難レスキュー件数は全国1万件以上であり、離岸流を起因とする事故は46%で最大である。離岸流は突如として様々な場所で発生するため、予測や発見が難しく、ライフセーバーが監視するビーチでさえも遊泳者は簡単に沖に流されてしまう。水難事故が発生した場合のホテルの損失は計り知れない。

このビジネスの顧客はどんな人・組織ですか?特に最初に顧客になるのは誰ですか?

顧客1:プライベートビーチを保有するホテル管理者
規模 3000㎡以上のビーチを保有
役割 宿泊客の安全保証
課題 事故発生後の宿泊客からの信頼・経済的損失
顧客2:マリンレジャーをする人々
趣味 海水浴、釣り、サーフィン
課題 予期せぬ海流の変化で、海難事故が起こりやすい
顧客3:漁業関係者
年齢 20~70代 
課題 経験や勘による海流の予測精度が不十分

このビジネスを行うことで提供したい独自の価値は何ですか?

・国土交通省の海岸研究室によれば、離岸流を目視で判断することは困難であるが、RiCASを導入すれば離岸流をスマートフォンやPC画面上にはっきりと可視化できる。

・日本ライフセービング協会によれば、海水浴場の広大な監視区域から溺れる危険性のある遊泳者を即座に発見することは困難であるが、海水浴場の複数の地点にRiCASを導入すれば隅々まで離岸流を監視できる。

このビジネスで提供する製品・サービスは何ですか?

スマートフォン単体で用いることができる「RiCASアプリ」と監視カメラ+ディスプレイ+マイコンなどで構成される「RiCAS装置」の2形態がある。いずれも、カメラを海に向かってかざし、新規の選出型時空間画像方式を利用することで、3秒ごとに海の流れをスマートフォンやディスプレイの画面上に可視化することができる。岸から沖に向かう離岸流を検出したとき、警告したり自己注意することで水難事故を減らす。

その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?

RiCAS運営会社は、全国1100か所のビーチやプールを管理しているリゾートホテルにRiCAS装置を導入またはレンタルして頂く。ビーチの規模に合わせてRiCAS装置を複数台設置してもらい、離岸流を検出した場合は警告灯の点滅やスピーカーから注意喚起を行う。一般ユーザにはRiCASアプリをダウンロードしていただき、海水浴や釣りを行う際に、スマホ画面で可視化した海の流れから安全を確認する。

すでに存在する類似製品やサービスはありますか?あるならばそれらと比較して圧倒的に優れている点を教えてください。

田中電気(株)などから救難対象者をドローンで吊り下げ・牽引する水難救助システムが開発されている。ライフセービング協会と中央大は海面画像を解析し離岸流を監視する「海辺のみまもりシステム」を開発している。前者は、水難事故が起こった後のみの対処であり、かつ高額で頻繁なメンテナンスが必要である。後者は、波打ち際しか監視できず、解析に10分程度以上要する。本提案のRiCASは、これらの問題を全て解決できる。

全体を振り返って、このビジネスプランを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください。

海と共に生活をしている沖縄ウミンチュでも、離岸流は大変恐ろしい。同級生が離岸流による水難事故で死亡した。この事故は沖縄高専近くのビーチで発生し、大変な衝撃を受けた。また、昨年は過去最大の水難事故件数であり、今年はそれを上回るペースで事故が発生している。TVや新聞では連日で離岸流の危険性が報道されている。この状況から我々は即座に行動を起こすべきだという強い使命感から、RiCASのビジネス化を決心した