呉高専

GPSと生体センサを活用した高齢者見守りサービス

チーム名
チーム安車蒲輪
このプランのビジネスプラン概要
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このプランを思い付いた背景

日本は超高齢化社会に突入しており、それに伴う社会問題も深刻化している。実際に呉市では高齢者の徘徊に関する情報がたびたび放送されていることに加え、高齢者の孤独死とそれに付随した空き家問題が進行している。しかしながらマイクロチップのような侵襲性の高い機器は人道的な観点から使用が見送られている。渦中にあって、高専で学んだRFタグに関する知見と誤って電子機器を洗濯してしまった経験から本プランの着想を得た。

このビジネスプランは、「誰が」「どこで」「どんな風に」提供するのですか?

始めに開発したデバイスをSNS、関係各所への売り込み等の手法で公知し、高齢者が多く過疎化が進行している地域の拡大家族や介護施設の職員に試用していただく。製品の継続的な活用が決定した際には初期費用(ハードウェア用料金)と月額料金(ソフトウェア用料金)を頂戴するプランを検討している。将来的には土砂崩れ、大雨、洪水等の自然災害が頻発し、それらの被害が拡大しやすい地域への参入を構想している。

このビジネスプランで提供できる商品・サービスは何ですか?

ボタン型、織りネーム型等、衣服と一体となる構造でありかつ防水性、省電力性、量産性に優れたGPSデバイスを提供する。このデバイスはオプションとして、顧客のニーズに応じた体調管理用のセンサを追加することができる。取得した情報はアプリにて家族や介護職員と共有し、異常を検知した際にはかかりつけ医にも通知することを想定している。またプライバシーの観点から情報の管理には秘匿性の高いMECを利用する予定である。

このビジネスプランは、どのような社会課題を解決できるもの(またはお客様のニーズに応えようとしているの)ですか?

①「GPSデバイスによる高齢者の徘徊問題の解決」に加え、②「心拍数センサ、皮膚温センサ、運動記録アプリ等を利用した体調管理と健康寿命の延伸、医療・福祉業界の人材不足の解消」、ひいては③「孤独死の防止」が可能となる。また災害時においては取得した位置情報と生体情報を基に、避難所までの最適経路設計、人工知能によるトリアージ、関係者との情報共有を行うことで④「迅速かつ合理的な避難誘導」が実現できる。

すでに存在する類似商品やサービスはありますか?ある場合、それらと比較して優れている点を教えてください。

現在はキーホルダー型、靴型のGPSデバイスやスマートバンド等が販売されている。しかしながら高齢者はデバイスの携帯に対する嫌悪感や物忘れ等によってそれらを身に着けない場合が多い。また多機能化により価格が高騰している製品もある。そのため本提案はデバイスを持ち歩いていることを忘れてしまうほどの携帯性の向上による実用上の進展、顧客のニーズに合わせた機能の最小限化による低価格化に優位性があると考えている。

サービス対象はどんな人・組織ですか?そこに対する宣伝・営業・販売方法について教えてください。

高齢者とその家族、介護施設の職員をサービス対象として、SNS、関係各所への売り込み、産業振興センターとの連携を通じて製品を宣伝する予定である。販売方法としては始めに1ヵ月程度の試用期間を設けた後、GPSデバイスとオプションの生体センサの料金を初期費用として、情報管理アプリとMECの利用料金を月額~円という形式で販売する予定である。また事業が軌道に乗った後には災害多発地域への製品提案を構想している。

このビジネスプランで起業する場合の課題は何だと考えますか?

ハードウェア、ソフトウェアの両面で技術開発に多大な初期費用と時間が必要となるため、利益を得る前に会社が立ち行かなくなる可能性がある。また先述の通り大幅な需要の拡大が予想される分野であるため、必然的に技術力、資金力の高い会社と競合せざるを得ない。そのため発想の点で先行していたとしても、更なる低価格性と高信頼性を有した大手メーカーの高品質な後発製品により、既存の顧客が維持できないおそれがある。