このアイデアで解決したい課題は何ですか?
視覚・聴覚に障がいのある方は,ICカードを改札にタッチしても「確実に通れたか」が分からず,心理的負担や移動効率の低下を招いていること。
その課題の解決のために、今までに調べたこと・実行したことを教えてください。
日本国内の視覚・聴覚障がい者人口は約100万人規模。鉄道利用者の多様化とバリアフリーへの社会的関心の高まりから,障がい者向け改札支援は潜在市場および社会的価値が大きい。(国土交通省,内閣府)
このアイデアで提供する製品・サービスは何ですか?
ICカードを収納するパスケースに振動・音声フィードバック機構を組み込み,改札タッチ成功時には触覚で通知される。失敗時には振動が発生せず,再タッチを促す。
その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?
ICカードを収納するパスケースとして提供する。ユーザーは購入後すぐに駅で利用可能。特別な改札機の改修は不要で、視覚・聴覚に障がいがある方も,誰でも簡単に安心して利用できるユニバーサルデザインとなっている。
提供する製品・サービスのユーザーはどんな人・どんな組織ですか?ユーザーの具体像(年齢・性別・家庭環境・趣味・仕事等)を考えて教えてください
年齢・性別・障がいの有無を問わない日常的鉄道利用者。
提供する製品・サービスの一番のウリは何ですか?
触覚による確実なタッチ認証により,障がいの有無に関わらず,騒音環境やイヤホン使用時でも安心して改札を通過できる。これにより心理的負担を大幅に軽減でき,障害の有無に関わらず誰もが利用しやすいユニバーサルデザインとなっている。
提供する製品やサービスについて、すでに存在する類似製品やサービスはありますか?
あるならばそれらと比較して優れている点(独自の価値)を教えてください。
既存の改札支援は音声や視覚表示が中心であり,触覚を用いた事例は見られなかった。振動による確実なフィードバックで差別化できる。
プロトタイプを第三者に見てもらい、出た意見を踏まえて実用性を高めるためにはどのような改善が必要か、もしくは既に改善した場合はどのように改善したのか、教えてください。
「振動の強さやタイミングの調整」「誤作動の対策が欲しい」「サイズや重さの改善」といった意見が寄せられた。これらを踏まえて,振動の段階的な調節機能,タイミングの微調整,カードのID照合による誤作動防止,部品の一体化による軽量,薄型化といった改善が必要である。また,スマホアプリやLEDで最後に使用した日時,残電池を確認できるようになれば,使用者により安心感を与えられるものになると考えている。
全体を振り返って、このアイデアを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください
駅の改札で聴覚障がい者の方がICカードをタッチしたものの通過できず,そのまま立ち止まることなく通過してしまう場面を見た。そのときの不安そうな表情が強く印象に残り,障がいによって日常の移動で不安を感じることがあると痛感した。そこで,視覚・聴覚に頼らず確実に改札を通過できる技術を提供し,障がい者の方が安心して移動できる社会を実現したいと考えた。