アイデア部門

集団(個人)の特徴に最適化された、リスク検知と通知により、熱中症を未然に防ぐ!

チーム名
Ara Lab
高専名
仙台高専 広瀬キャンパス
このプランのビジネスプラン概要
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このアイデアで解決したい課題は何ですか?

近年、熱中症で救急搬送される人が気候変動の影響もあり増加傾向にある。世間では水分をとれ、涼しいところで休めと言われているが、どのタイミングで?どれだけ?と思っている人も少なくはないはず。そして体質などで、とるべき水分量も暑さに強い弱いなど個人差があり、結局どうすればいいんだ!そんな課題を解決するために我々が開発するのは、ひとりひとり違う危険信号を明確化し適切な処置を提案するデバイスである。

その課題の解決のために、今までに調べたこと・実行したことを教えてください。

総務省消防庁の「熱中症による救急搬送人員」をもとに令和4年度から令和7年度(5月~9月が調査対象)のデータを1週間ごとに年齢区分別、発生場所別にまとめて調査をした。熱中症対策における既存製品の仕組みや特徴、限界点を整理した。その結果、皮膚体温などの一定値に達した際に警告することを目的としたウェアラブル端末が多い一方で、個人差や行動状況を十分に反映できていない点が課題として明らかになった。

このアイデアで提供する製品・サービスは何ですか?

ユーザーには腕時計型のデバイス(Vitaノード)を着用してもらい、ユーザーごとのバイタルデータを取得しVitaハブへ転送する。そして、Vitaハブがディープラーニングを行いそれぞれの特徴量を抽出し、ユーザーやユーザーが属する集団の熱中症耐性をデータ化する。それをもとにルールベースで熱中症のリスクを判断し振動や音声でユーザーにお知らせし、管理者のスマートフォンなどにはメッセージを送る。

その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?

本サービスは、私たちAraLabが開発・提供する解析システム。企業や団体はWebサイトから申し込み、解析装置「Vitaハブ」を購入・設置します。従業員が装着する腕時計型デバイス「Vitaノード」は人数に応じてレンタル提供されるため、従業員数の増減にも柔軟に対応可能。初期導入や日常運用の負担を抑えつつ、スムーズに解析環境を整備できる。企業の成長やプロジェクト拡大に合わせた柔軟な運用が可能となる。

提供する製品・サービスのユーザーはどんな人・どんな組織ですか?ユーザーの具体像(年齢・性別・家庭環境・趣味・仕事等)を考えて教えてください

想定ユーザーは、建設業・製造業・農業・運送業など屋外作業や高温環境で働く企業・団体です。従業員は20~50代の男女が中心で、体力には自信があっても体調変化に気づきにくい人も多く含まれます。事業者は労働安全衛生法に基づき熱中症対策が義務付けられており、本サービスは従業員の健康を守るだけでなく法令遵守の観点からも導入が期待されます。加えて、夏場にスポーツやアウトドアを楽しむ個人利用者も対象とします。

提供する製品・サービスの一番のウリは何ですか?

本製品の特徴は、軽量性と一人ひとりに最適化された熱中症検知である。軽量化は、バッテリー・センサー・通信モジュール・マイコンといった最小限の構成で設計することで実現し、使用者が負担なく着用できる。また、従来の製品では個人差や集団特性が十分に考慮されていないものが多いのに対し、本製品ではこれらに合わせた独自の基準を設けることができ、高精度で柔軟なリスクを警告することで熱中症対策への意識向上を図る。

全体を振り返って、このアイデアを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください

近年、気候変動の影響もあり熱中症で救急搬送される人は増加し、職場でも法的に対策が求められる社会的課題となった。私も熱中症による免疫低下が原因でコロナウイルスにかかってしまった。しかし「いつ・どれだけ休むか、水分をとるか」は個人差が大きく、従来の一律の注意喚起では十分ではない。私たちは一人ひとりに合わせたリスクの見える化を通じて、安全に夏を過ごせる社会を実現したいと考えている。