このアイデアで解決したい課題は何ですか?
大規模災害時の通信途絶により、被災地の状況把握と安否確認が遅れるという喫緊の課題を解決する。従来のインフラに依存した通信手段は、基地局の倒壊や停電により機能不全に陥る。この情報空白期間を短縮することが、初期救命率の向上に直結する。CoMeshは、使えなくなったスマートフォンに接続するだけで。既存インフラに依存しない自律分散型メッシュネットワークを構築し、災害時の共助を可能にする。
その課題の解決のために、今までに調べたこと・実行したことを教えてください。
これまで、4G/5G公衆回線に代わり、LPWAアドホックネットワークによるバケツリレー式通信が有効であることを調査した。具体的には、AIによる画像解析で建物の損壊状況や人の数を判定するモデルを構築し、その情報をCoMeshで共有することが、災害時の状況把握に有効であると考えたLPWAモジュールをベースに、スマホ連携型の小型モジュール設計と、自律的なルーティングアルゴリズムの実装に取り組んだ。
このアイデアで提供する製品・サービスは何ですか?
LPWA通信モジュールを搭載したハイブリッド型デバイス「CoMesh(コメッシュ)」を提供する。CoMeshは、スマートフォンに外付けすることで、4G/5Gが途絶した環境でも、端末間がLPWAで直接通信し、アドホックネットワークを構築する。このネットワーク上で安否確認や情報交換、さらに、AIカメラで解析した災害マップを災害対策本部にリアルタイムで集約・配信することで、迅速な被災者支援に貢献する。
その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?
【提供主体】自治体の防災部門、災害関連企業、およびCoMeshを導入した地域のコミュニティ。
【場所】被災地全域、避難所、災害対策本部。
【方法】住民がスマートフォンにCoMeshモジュールを接続するだけで、自動的にメッシュネットワークを構築する。AIが状況を解析し、情報をリアルタイムで地図上に可視化して通知する。4G/5G公衆回線がない環境でも動作する。
提供する製品・サービスのユーザーはどんな人・どんな組織ですか?ユーザーの具体像(年齢・性別・家庭環境・趣味・仕事等)を考えて教えてください
主要ユーザーは、災害時に情報共有や安否確認が必要な住民全般(高齢者、子育て世帯)と、地域の自治体・防災担当者である。特に、情報弱者となりやすい高齢者や子育て世帯の安全確保が最重要ターゲットとなる。また、平時から地域の安全管理にCoMeshを活用したいマンション管理組合や企業も重要なユーザーであり、迅速な情報伝達と安全確保を求める組織全般が対象となる。
提供する製品・サービスの一番のウリは何ですか?
「通信インフラ途絶下での自律分散型通信」と「AIによる現場状況の自動可視化」の融合が最大のウリである。既存の衛星通信や防災アプリが持つ限界(高コスト、通信依存性)を克服し、LPWAメッシュネットワークにより、被災地や避難所でリアルタイムに安否確認や災害情報を共有可能である。誰でも簡単に操作でき、地域の横のつながりを強化し、迅速な共助と地域防災力向上を同時に実現する。
提供する製品やサービスについて、すでに存在する類似製品やサービスはありますか?
あるならばそれらと比較して優れている点(独自の価値)を教えてください。
衛星通信やスターリンクは災害時通信手段として有効だが、機器が高価で、住民間の直接連携や迅速な地域内情報共有には限界がある。CoMeshは、スマホに外付けモジュールを接続するだけである。従って、低価格・高機動性の設計であり、オフラインでもメッシュネットワークを活用し、住民同士が安否確認や災害情報を即座に共有可能である。地域の横のつながりを重視し、共助を強化する点で圧倒的な独自性がある。
プロトタイプを第三者に見てもらい、出た意見を踏まえて実用性を高めるためにはどのような改善が必要か、もしくは既に改善した場合はどのように改善したのか、教えてください。
初期の防災ヘルメット型プロトタイプは高価で機動性が低いという意見を受け、スマホのリソースを活用する設計に改良した。これにより、低価格化(約1万円)と機動性向上を実現した。また、災害時以外でも日常利用できる機能を追加し、普及性を高める予定である。今後は高齢者や子育て世帯など実際のターゲットユーザーと直接対話し、操作性や通知機能の最適化を図り、より実用的で使いやすいシステムに改良していく。
顧客となるユーザーと直接対話し、プロトタイプを改良した・もしくは改良を予定している場合はその内容を教えてください。
家族や友人、教員などの意見をもとに、初期の防災ヘルメット型プロトタイプは高価で機動性が低い点を改善。スマホのリソースを活用する設計に改め、低価格化(約1万円)と機動性向上を実現した。また、災害時以外でも日常的に利用できる機能を追加し、普及性を高める予定。今後は高齢者や子育て世帯など実際のターゲットユーザーと直接対話し、操作性や通知機能の最適化を図り、より実用的で使いやすいシステムに改良していく。
この製品・サービスの核となる技術について、特許等を取得/出願している場合は詳細(発明者・特許番号/特許公開番号等)を教えてください。
特許なし
この製品・サービスの市場動向や市場規模について今までに調べたことがあれば教えてください。また、その動向を踏まえ、ビジネスモデルを検討したことがあれば、その内容を教えてください。
防災関連市場は、地震・豪雨など自然災害の増加に伴い拡大傾向にある。特に個人向け防災用品や災害時通信サービスは需要が高まっており、衛星通信や防災アプリ市場も成長している。本サービスは低価格かつ日常利用も可能な点で差別化でき、自治体向けライセンス提供や個人向けサブスクリプション、企業向け防災パッケージ販売など複数の収益モデルを検討。地域コミュニティの安全向上と収益化を両立できる可能性がある。
起業までの具体的なスケジュールをステップごとに時系列で記述してください。
(例:プロトタイプ開発、マーケティング準備、資金調達、法人設立など)
プロトタイプ開発(現在~半年):スマホ連携型メッシュネットワークの完成と機能改善。
ユーザーテスト(半年~1年):地域住民・自治体との対話で操作性や通知機能を最適化。
マーケティング準備(1年目~):ターゲット層への認知拡大、自治体等向け提案資料作成。
資金調達(1年目後半~2年目):助成金、クラウドファンディングの検討。
法人設立・事業開始(2年目):販売体制構築、地域導入開始。
起業後の事業展開について、目標・戦略・成長イメージを具体的に記述してください。
(例:売上目標、顧客獲得計画、サービス拡張、海外展開の可能性など)
起業後は自治体の防災センターや地域コミュニティへの導入を優先し、初年度は全国50自治体での導入を目標とする。併せて、個人向けのサブスクリプションモデルを展開し、利用者数拡大を図る。定期的なメンテナンスや保守サービスを提供することで信頼性を確保。中期的には企業向け防災パッケージや教育機関への展開も検討し、地域の横のつながりを活かした共助型防災プラットフォームとして成長させる。
このビジネスでは「なぜ」利益がでると考えていますか?収益とコストの観点から想定する収益モデルごとに教えてください。
収益は、自治体や企業へのライセンス契約(直接提供モデル)と、個人向け月額課金(サブスクリプションモデル)から得られる。初期開発費はかかるが、スマホ連携によりハードウェアが簡素化され、製造コストが低い。メンテナンス・保守サービスも追加収益源となり、導入数の拡大に伴い、継続的な収益が見込め、安定的に利益が出る構造である。
このビジネスプランで起業する場合の課題は何だと考えますか?
本システムは地域住民や自治体に広く利用されることが前提となるため、初期段階での普及が課題となる。また、災害時の信頼性確保や安定的な通信環境の構築、システム運用・保守体制の整備も必要である。加えて、自治体や企業への導入承認、予算確保、日常利用でも価値を感じてもらうUX設計、マーケティング戦略、初期資金調達や人材確保も起業における重要な課題となる。
全体を振り返って、このアイデアを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください
東日本大震災(2011)では基地局の崩壊により、震災2日後まで広範囲で4G/5G通信が途絶した。その後の熊本豪雨(2020)や能登半島地震(2024)でも同様の問題があり、災害時に確実に情報をやり取りできるオフライン環境対応のシステムが必要と考え、開発を思いついた。