このアイデアで解決したい課題は何ですか?
農家の課題
・収穫時期にしか得られない収入を安定化させるため、継続的な収入源の確保
・農業従事者の減少を止めるべく、新規参入者にとって魅力的な価値を生み出す
子供たちの課題
・子どもたちの農業に触れる機会の減少とそれによる農業への関心低下を防ぐ
・そこから生じる食への関心の希薄化も防ぐ
その課題の解決のために、今までに調べたこと・実行したことを教えてください。
農業に教育の要素を加え、農家の方に指導いただき、子どもが定期的に農業に触れられる環境を作ることを考えた。
また、その実現のために丸亀市の農家の方に話を聞き、試運転として夏休みに1ヶ月半、小規模の体験会を行った。
資金調達は、クラウドファンディングサイトのCAMPFIREで募ったほか、地元の財団のファンドにも挑戦した。
このアイデアで提供する製品・サービスは何ですか?
小学生を対象とした、土づくりから種まき、水やり、草取り、後片付けといった農業の過程全てに継続的に触れられる習い事
また、参加ごとに独自通貨が得られ、それを使うことで自分たちで収穫した作物を購入する体験が出来る。
その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?
高専生のスタッフが
農家さんの田畑で
農家さんの指導を受けながら、週に1回、1時間~2時間程度小学生に提供
提供する製品・サービスのユーザーはどんな人・どんな組織ですか?ユーザーの具体像(年齢・性別・家庭環境・趣味・仕事等)を考えて教えてください
住宅地に住む小学生。祖父母は農業に携わっていないか、遠方に住んでおり手伝う機会がなく、農作業に触れることがない。親は子どもに自然に触れる体験をしてほしいと思っている。休日は基本的に家にいるため、親はもう少し外で運動して欲しいと考えている。
提供する製品・サービスの一番のウリは何ですか?
継続的に習い事として農作業を行うことで、種まき、収穫のみでなく、間引きや土づくり、草取りといった農作業のすべての過程を体験できる。既存の収穫体験や農業体験との違いは成長過程の体験であり、そこにこのビジネスの独自性がある。また、その期間の指導を農家に行ってもらうことで、農家の継続的な収入が可能となる。
さらに袋詰めなど出荷作業も行うことで、育てた野菜が消費者に届く産業としての意識も持ってもらえる。
提供する製品やサービスについて、すでに存在する類似製品やサービスはありますか?
あるならばそれらと比較して優れている点(独自の価値)を教えてください。
農業体験を提供する類似サービスはあるが、そのようなサービスと比較しスタッフの若さ、習い事として活動することによる継続性がメリットとして挙げられる。高専生がスタッフという参加者との年齢が近くギャップが小さいこと、単発の収穫会でないためより実践的な体験となることは大きなアピールポイントと考えている。また、独自通貨を取り入れた疑似的な買い物体験でも他サービスとの差別化がなされていると考える。
プロトタイプを第三者に見てもらい、出た意見を踏まえて実用性を高めるためにはどのような改善が必要か、もしくは既に改善した場合はどのように改善したのか、教えてください。
Forms上で44人の回答を得た。そのうち、「子どもにさせたい」という回答は7割で、継続して本格的な規模で農業ができる点、家に田畑がなく、親の知識がなくとも参加できる点などに高い評価を頂いた。そこから、「比較的気軽に長期間、様々な種類の作物の本格的な体験を提供出来ること」がこのプロジェクト独自の強みであると考え、それを生かすためには協力、提携してくださる農家の方を増やしていくことが必要だと考えた。
顧客となるユーザーと直接対話し、プロトタイプを改良した・もしくは改良を予定している場合はその内容を教えてください。
体験会に参加していただいた親子3組にforms上で意見を頂いた。体験会では週に1度、土曜日の朝9:00~10:30に行ったが、もう少し早い時間帯でも構わないという意見を頂いた。体験を提供して頂く農家の方の都合優先とはなるが、次回以降の体験会では開始時刻の変更も視野に入れている。
この製品・サービスの市場動向や市場規模について今までに調べたことがあれば教えてください。また、その動向を踏まえ、ビジネスモデルを検討したことがあれば、その内容を教えてください。
近年子どもの数は減少傾向にあるが、一方で子ども1人あたりにかける費用は上昇している。中でも体験型の分野における需要は伸びており、今後の市場の発展が見込める。香川県の児童数(4.5万人) 、子供一人当たりの習い事の平均価格(11.7万円/年)を考えると、数十億円規模の市場にもなり得ると考えている。
全体を振り返って、このアイデアを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください
地域の活動家さんと交流したワークショップで話を聞き、農業、シニア、子育てといった分野で様々な課題があることを知った。祖父母が農家であるメンバーが多いこと、不登校の兄弟姉妹がいるメンバーがいたことから、農業、子育て分野に絞りビジネスプランを立てた。私たちは課題解決に向け、農業が次世代に継承され、今後も緑多き日本が続いてほしい、健康で健やかな子供が増えてほしい、という想いを抱いている。