このアイデアで解決したい課題は何ですか?
離島では人口減少・高齢化が進む中、船便/航空便に依存する現行物流は天候やダイヤに左右され、高コスト・遅配・配送対象外が常態化。ECや定期購買、医薬品・生鮮の確実な受取りが難しく、生活の質と地域経済、若者の定住意欲を損ねています。都市並みの速度・価格感で“毎日届く当たり前”を取り戻し、災害時にも継続するレジリエントな輸送基盤を整備する、これが解決すべき課題です。
その課題の解決のために、今までに調べたこと・実行したことを教えてください。
産総研・NEDOの助言を得て、現地(離島・港湾)で課題の実態を把握。造船部品メーカー・造船会社・水中ドローン企業へヒアリングし、機体構造や運用の実現性を検証。離島のEC送料・到着日数を比較調査し、需要規模を試算。気象庁データで風場を解析し、気球の航行条件と運用窓口を設計。貨物ポッドのモジュール設計・安全要件を整理し、大手物流各社へ連携可能性を打診中。
このアイデアで提供する製品・サービスは何ですか?
提供するのは、離島向け中距離輸送を担う小型飛行船(気球)と、その運用を束ねる統合物流プラットフォームです。大手物流の集荷と連携し本土―離島を気球で一括輸送、島内拠点で仕分け・宅配まで実行。モジュール式貨物ポッド(簡易冷蔵対応)、運航管制・追跡アプリ、時刻表便/即時便/サブスク料金、災害時の優先輸送を含むSLAまで一体で提供します。
その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?
運航チームが、自治体・地元事業者と連携して提供します。場所は本土の運航管制室と離島の集配拠点・仮設係留地。大手物流の集荷を受託し、気球で本土―離島を一括輸送、島内で仕分け後に協力配送網で各戸へ。時刻表便と緊急便、温度管理ポッド、追跡アプリ、SLA・安全基準まで一体運用します。
提供する製品・サービスのユーザーはどんな人・どんな組織ですか?ユーザーの具体像(年齢・性別・家庭環境・趣味・仕事等)を考えて教えてください
主なユーザーは離島の一般住民と地元事業者です。例①20代後半・共働き子育て世帯、週末は釣りやキャンプ、ECで日用品やベビー用品を購入。例②70代独居高齢者、通院が多く生鮮・医薬品の宅配需要大。例③診療所・薬局・小売店・民宿、安定調達と即時補充が必須。自治体・防災部局は災害時輸送の確保を重視します。
提供する製品・サービスの一番のウリは何ですか?
一番のウリは、離島でも“都市並みの当日?翌日感”を船・航空より低コストで実現することです。滑走路や港湾増設を要さない気球で中距離・重量物を一括輸送し、島内仕分け×地元配送網で最終区間まで最適化。時刻表便+緊急便、温度管理ポッド、追跡アプリ、SLAを一体提供し、天候変化や災害時でも止まらない「届く確実性」を担保します。
全体を振り返って、このアイデアを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください
瀬戸内の離島で暮らす人たちの“届かない”現実に直面したのが出発点です。現地調査で、送料高騰・到着遅延・災害時の断絶が生活や事業を細らせる姿を見ました。だからこそ、増設インフラに頼らず動く空の物流をつくる——この思いで、産総研・NEDOの助言を得つつ試作と検証を重ねています。目的は配送の置換ではなく、離島に“都市並みの当たり前”を取り戻し、定住と地域経済の循環を支えることです。