このアイデアで解決したい課題は何ですか?
農水省が策定した「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の面積割合を25%に拡大する事が重点課題とされていますが日本における有機農業の耕地面積は0.7%にとどまり、世界平均1.6%と比べても低い状況です。拡大を阻む要因として「生産効率の低さ」や「栽培管理の不確実性」が指摘されており、その背景には土壌環境の判断を経験や勘に頼る現状があり、土壌DXで有機農業が抱える「非効率」「不確実」を解決する
その課題の解決のために、今までに調べたこと・実行したことを教えてください。
私たちは、土壌DXの中核となる技術として微生物燃料電池(MFC)に着目し、MFCで得られる電力を作物の生育促進に活用する研究に取り組みました。実験の結果、発芽率や成長速度が向上する事が分かりました。さらに、発電量を土壌の微生物活性や栄養状態の指標として捉え、データ化を進めています。これにより、土壌の健康状態を見える化し、科学的根拠に基づいた栽培管理の最適化を目指しています。
このアイデアで提供する製品・サービスは何ですか?
本アイデアでは、微生物燃料電池(MFC)を用いて土壌中の発電量をリアルタイムで計測し、そのデータを基に植物の生育状態や土壌の健康度を可視化するシステムを提供します。さらに、得られた電気を植物に微弱な電気刺激として与えることで生育を促進し、収量や品質の向上を実現します。このDeepTechにより、農家は経験や勘に頼らず、科学的根拠に基づいた栽培判断が可能となり、有機農業の拡大にも貢献します。
その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?
本サービス「土壌DX」は、フランチャイズ方式で全国の農家へ展開します。まずは、全国のオーガニックビレッジを重点地域として展開する計画です。フランチャイジーは、若手農家を中心に募集し、現場(圃場)での運用をきめ細やかにサポートします。一方、私たちはクラウド上で全国の土壌データを収集し、地域特性を考慮した技術の開発に取り組むほか、フランチャイジーの教育にも注力します。
提供する製品・サービスのユーザーはどんな人・どんな組織ですか?ユーザーの具体像(年齢・性別・家庭環境・趣味・仕事等)を考えて教えてください
本サービスの主なユーザーは、環境に配慮しながら安定した収益を目指す中小規模の有機農家や新規就農者です。特に、体力的な負担を減らしたい女性農家や、科学的な根拠に基づいて農業を行いたい若手就農者を想定しています。また、家庭菜園や学校教育などにも応用可能で、持続可能な農業に関心を持つ幅広い層が利用対象となります。データに基づいた土壌管理と電気刺激による生育促進で、誰でも手軽に「環境に優しく、稼げる農業」
提供する製品・サービスの一番のウリは何ですか?
本製品の最大の特徴は、「発電菌×デジタル技術×バイオスティミュラント(電気刺激)」を組み合わせた独自のDeep Techにより、これまで見えなかった“土壌の健康状態”を可視化し、生産効率と環境保全を両立できる点です。さらに、環境・感情・経済的価値からなる3E-Valueモデルを統合し、科学的な価値だけでなく、消費者の共感を生むブランド価値も創出します。土壌DXにより、稼げる次世代型の農業を実現する
全体を振り返って、このアイデアを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください
私達がこのアイデアを思いついたきっかけは、農業同好会で作物を育てる中で、うまく成長しない原因が「土壌」にあると感じたことでした。土壌を多面的に分析する中で、発電量と窒素量に相関があることを発見し、電気的特性をコントロールすることで生育を改善できるのではないかと考えました。現在は、発電菌と電気刺激を活用した新たな農業技術の開発に取り組み、沖縄から世界に発信できる持続可能な農業モデルを実現したい。