アイデア部門

EleCal.:顔認証で命をつなぐ、災害医療の新しい形

チーム名
Synaptix
高専名
一関高専
このプランのビジネスプラン概要
▲ 画像をタップで拡大してご覧いただけます。

このアイデアで解決したい課題は何ですか?

災害時や急な受診時に、患者自身が正確な病歴や服薬情報を伝えられないことが課題である。特に高齢者や認知症患者は情報伝達が困難であり、また保険証等の所持も不確実である。このため、衛星回線を利用したオンラインでの本人確認と医療情報照合の仕組みを整え、迅速かつ確実に適切な医療を受けられる体制を実現する必要がある。

その課題の解決のために、今までに調べたこと・実行したことを教えてください。

災害時の医療で病歴・服薬情報の伝達、本人確認が課題であること、マイナンバーカードの携帯率が4割と低いことが調査の結果判明した。能登半島地震で衛星回線は通信途絶時でも安定した通信を確保できることが証明されたことからAI顔認証と衛星回線を活用した照合システムを検討し試作品の作成を行った。試作品は現在リアルタイムでの顔認証とセキュリティー保護の為のパスワード入力システム、本人確認画面の作成が完了した。

このアイデアで提供する製品・サービスは何ですか?

本アイデアで提供する製品は、AI顔認証による照合を組み合わせた、衛星回線対応型の医療記録照合端末である。災害時や通信障害下でも衛星回線を用いて動作し、患者の顔認証によって迅速にオンライン上の医療情報へアクセスできる点が特徴だ。小型で持ち運びやすく、救護所や避難所、臨時診療所など幅広い現場で利用可能。

その製品・サービスは、例えば「誰が」「どこで」「どのように」提供するものですか?

災害時や高齢者医療の現場において、医師や看護師などの医療従事者が使用することを想定している。具体的には、避難所や仮設診療所、地域の病院受付で、患者が顔を端末のカメラに向けるだけでオンラインでの本人確認と基本的な医療情報照合を行える。これにより、保険証や記憶に依存せず、衛星回線経由で迅速で確実な診療支援を提供できる。

提供する製品・サービスのユーザーはどんな人・どんな組織ですか?ユーザーの具体像(年齢・性別・家庭環境・趣味・仕事等)を考えて教えてください

主なユーザーは医療従事者と患者の双方である。患者側は70歳以上の高齢者や認知症患者、独居高齢者など、病歴や服薬情報を自分で正確に伝えることが難しい人々。また災害時にマイナンバーカード等が手元にない避難者も対象。医療従事者側は地域病院の医師・看護師、介護施設の職員、避難所の臨時診療所スタッフなど、短時間で確実に本人確認と医療情報の照合が求められる人々である。

提供する製品・サービスの一番のウリは何ですか?

本製品の一番のウリは、衛星回線を活用することで、災害時や通常の診療においても広範囲でオンラインでの迅速かつ正確な本人確認と医療記録の照合が可能な点である。特に高齢者や認知症患者のように自身の情報を伝えるのが難しい人々に対して有効で、持ち運び可能な小型端末として現場の診療の安全性と効率を同時に高められることが最大の強みである。

全体を振り返って、このアイデアを思いついた背景と課題解決に向けた思いを教えてください

本アイデアは、災害時にカルテが失われたり、高齢者や認知症患者が自身の病歴や服薬情報を伝えられない現実を知ったことから生まれた。特に通信環境が不安定な状況でも衛星回線を利用し、迅速かつ正確に患者情報を把握できる仕組みが必要だと痛感した。私は将来、医工学を学び社会に役立つ技術を生み出したいと考えており、その第一歩としてこの端末を形にし、医療現場に貢献することを目指している。